北軽井沢ミュージックホールのこと。

 
ここで、今年の会場となる「北軽井沢ミュージックホール」について、ご紹介します。
 
写真 2
 
「北軽井沢ミュージックホール」は、軽井沢と草津方面を結ぶ国道146号と、高崎への抜け道県道54号線が交差する「北軽井沢」交差点のすぐ近くにあります。
いわば、北軽井沢の町のどまんなか!…なのですが、地元の方、古くからの別荘の方も「あれ、そんな建物あったっけ。。」と言われてしまうことも多く。
夏の「ミュージックホールフェスティバル」期間以外は、ひっそりと閉館しているので、前を通り過ぎても気づかれないかもしれません。
実は私も初めて尋ねたのはほんの5−6年前。
夏のコンサートに出かけたことがきっかけでしたが、初めて見たホール内部のかわいらしく味わいある佇まいに、これはもっとこの場を利用しなければもったいない!
それ以来、ここでいつか人が集まることをしてみたいなあ、と思い続けてきました。
 
建物は、この外観からはわかりづらいのですが、100名収容できる大きなステージと、中庭を挟んで、いくつかの分奏室という小部屋が、渡り廊下で繋がっています。
ステージには屋根がありますが、シャッターを開放すれば中庭を背に、半屋外のホールとして使用することができ、高原の気持ちよい空気のなかで音楽を楽しめるすばらしい設計になっています。
分奏室や渡り廊下は木造で、少しレンガ色がかったペンキの色や、ギイギイとなる木の床は、古い学校や分教場のよう。
ステージや各部屋へはスリッパに履き替えて入るところなども、なんだかほのぼのとしています。
 
このホール。実は、あの世界的指揮者・小沢征爾さんや「サイトウ・キネン・オーケストラ」とも深い縁があるんです。
自らもチェリスト、指揮者、音楽家として活躍、桐朋学園の音楽学科を創設し若い人材を多く指導してきた斎藤秀雄さん。
斎藤さんは、北軽井沢の「大学村」に山荘を持っていたことから、夏の間、この村で学生のための合宿を行なっていました。
そのなかにいたのが、斎藤さんの門下生だった小沢征爾さんです。
合宿は村の小学校を借りて行なわれていましたが、徐々に規模が大きくなり、もっと多くの学生が学べるスペースを、ということから音楽堂が建設されることに。
昭和42年にホール完成。日本で初めての本格的な学生のための音楽合宿施設として、一時は年に4000人の学生に利用されたそうです。
斎藤さん亡き後は、小沢さんが理事長を務められた時期もありました。
その後、ホールは長野原町に寄贈され、老朽化を危ぶまれた2000年以降は、音楽家や町の有志の協力のもと改装工事も行なわれました。
50年近い歴史を持つ小さな村の音楽ホールは、小沢征爾さんはじめ、日本のクラシック音楽界を率いてきた多くの方にとって、特別な思い出のある場所でもあるのです。
 
今回、この場所をお借りして、ステージではブックマルシェに幻灯演奏会、中庭ではマルシェ、分奏室ではワークショップや展示、トークイベントを行います。
音楽ホールといういつもの形からは少し異なる催しにはなりますが、北軽井沢の大切な財産でもあるこの場所を開放し、町内外の方に見ていただけたら、というのも、イベントのひとつの目的でもあります。
もちろん入場は無料ですので、ちらっと覗いていただくだけでも構いません。
(駐車場は国道を挟んだグラウンドをお借りしていますので、たっぷりご用意しております!)
 
ちょっと珍しい「村の音楽ホールでの本のお祭り」!
お気軽にご来場ください。

アクセスは☞こちら

 
(この場を借りて、ホール利用を後押ししてくださった「北軽井沢ミュージックホールサポーターズ」代表の神倉さんに、感謝を申し上げます。)
 
 

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