「ランテルナムジカ」がやってきます。

 
この秋、「ランテルナムジカ」がやってきます。
 
 
「ランテルナムジカ」。
聞き慣れない言葉です。
「幻燈演奏会」とあります。
幻燈ってなんだろう? さらに謎は深まります。
 
 
「ランテルナムジカ」をひとことで言い表すことは難しい。
ほんとうは言葉になんかしないで、ただ一緒に、
そのとき、その場所にながれる時間に、身を委ねてみてほしい。
でもそれじゃあ、あまりに乱暴かしら。
ならば、ほんの少しだけ、拙いことばで悪あがきをしてみましょう。
 
 
nakabanさんという絵描きさんがいます。
画家やイラストレーターというより、わたしのなかでは、勝手に
nakabanさんは「絵描きさん」というイメージ。
海の近くの町に暮らしながら、
もっと遠いどこかの國の風景を描いていたり、絵本をつくっていたり、
ときどき木を削ったりしているようです。
私は、あ、今ちかくのものにばかり目が捕われているな、というときに、
よくnakabanさんの絵の本を開きます。
 
 
トウヤマタケオさんという音楽家がいます。
こちらも同じく海のそばの町に暮らしながら、
クラシックのような、そうともいいきれないような曲をつくったり、
いろいろな鍵盤を弾いたり、演奏会をしたりしています。
すこし前には、ミュージカルのための音楽のお仕事もされていました。
私は、あ、気持ちがちょっとささくれだってるな、という夜に、
よくトウヤマさんのピアノの曲を聴きます。
 
 
ランテルナムジカでは、
トウヤマさんが弾くピアノや鍵盤楽器の音にのせて、
nakabanさんが「ライトボックス」という不思議な箱の上で
絵を描いたりしたものが、壁につぎつぎと投影されていきます。
絵と音楽がひとつになった演奏会。
参加者ははじめ、絵を見て、音楽を聴くことをしていますが、
そのうちにきっと、絵を聴いて、音楽を見たりしています。
とどのつまり、それはどちらでもよいのです。
絵が音楽を奏で、音楽が風景を描き出す。
それが「ランテルナムジカ」というものだ、と言えるかもしれません。
 
 
と。さも知ったような口ぶりですが、
実はわたしも実際に参加するのは初めて。
ずっとずっと、見たくて、聴きたくて、堪らなかったので、
今回、ずうずうしくも、お二人をこちらにお招きしてしまった次第。
参加していもいないくせに、えらそうなことは書けませんが、
でも、何をかくそうこの私。
「今、これは自分のなかに取り入れておくべきものに違いない!」
という直感については、かなりの確率でハズレはありません。
そしてこのランテルナムジカには、その直感がビシビシぴかぴか。
わたしだけではなく、身の回りのたくさんのひとに、
この機会を(いまどきのことばで言えば)“共有”してもらうべき。
そう、頭と体のあちこちの細胞が、声をあげています(笑)。
 
 

2つの会場を用意しました。
 
ひとつは、北軽井沢、ブックニックという本のお祭りが開かれている
森の音楽ホールのステージ。
古い木造の建物が中庭を取り囲む、半屋外のステージには、
古本市の余韻で、古い本たちがひっそりと残されたまま。
晴れていれば背後には、いつもより澄んだ秋の空に、星が瞬いているはず。
 
もうひとつは、上田・柳町。
蚕都(養蚕の町)として栄えた昔の面影が映る町並みに、
今も当時のままの姿で残された一軒の民家「山崎邸」。
格子の窓に、土間の床。ふだんは使われていないからっぽの空間に
その一夜だけ、音楽と絵が色をつけてくれます。
 
 
ながくなってきましたので、おしまいにこちらを。
お時間のあるときに、そっと覗いてみてください。

lanternamuzica(2012) from LANTERNAMUZICA on Vimeo.

 
こちらも、わたし、大好きなんです。
ニャーが出てまいります。

hirosaki 30 october 2011 from LANTERNAMUZICA on Vimeo.

 
 
ちょっと気になってきたぞ、という方は、
こちらのご案内をお読みの上、ご予約ください。
 
ご予約の方には、nakabanさんの絵のしおり(チケットも兼ねています)を
当日、プレゼントいたします。
 
 
どうか、ひとりでも多くの方と、この特別な、
二度とはやってこない夜を、ごいっしょできますように。
ご来場をお待ちしております。
 
 

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