「Book-nick in Kitakaruizawa 2012」を振り返って【vol.4】

いよいよ振り返りの記録も最終回。
10月20日・21日の週末、百年文庫のある「ルオムの森」テラスデッキでは、百年の森ブックマルシェを開催しました。

古書店や、新刊の絵本やリトルプレスを扱うブックショップが揃う青空本市。
昨年につづいてのブックマルシェは、今年あらたに加わってくださった方も含めて計7店舗と賑やかに。

ルオムの森にこの春新しくできた屋根付きのバーベキューテラスとその周りのスペースを利用して、森のなかに、ゆったりとお店屋さんが並びました。
デザイン&編集室も兼ねる長野の「ch.books(チャンネルブックス)」からは、一般の書店にはあまり並ばない自主流通のzineやリトルプレス、紙製品など。

同じく長野市のブックカフェ「ひふみよ」からは、ライフスタイルや旅をテーマにしたわくわくするようなカウンターカルチャー系の古本や絵本。

この秋、中之条から拠点を移転される「唯書館」は、さすがは老舗、幅広い古書をバランスよくたくさんお持ちいただきました。

硬派な品揃えでいえば、海外文学を中心に文芸・哲学などのジャンルをきっちりプロのセレクトで並べてくれた、長野の「遊歴書房」。

ていねいにパラフィンがけされた”ぐっとくる1冊”を揃えてくれるのは、高崎発・出張専門古書店「suiran」。

はるばる東京から手芸書や絵本、エッセイなどをたっぷり詰め込んで、独自の世界観を作り出してくれた「古書玉椿」。

そしてわれらが群馬の大先輩、洋書絵本の専門店「フリッツアートセンター」も「ロバの本屋」として、車の荷台に可愛らしい幻の本屋を作ってくださいました。
どれもこれも個性的な本屋さんばかり。
あっちをのぞいて、こっちに戻って、やっぱりもう一度あそこを・・・と、ぐるぐる、ぐるぐる。幸せな目眩にくらくらしてしまいます!
見上げれば頭上には色づきはじめた梢の重なり。
フィールドアドベンチャーを楽しむ子供たちの声も聴こえてきて。
こんなブックマルシェが、一年に2日だけといわず、毎週の市のようにたってくれたら素敵なのに・・・
お外でおこなうイベントとしてはギリギリの気温。
そんななか、2日間にわたりご参加いただいた各出店者さま、このたびはほんとうにありがとうございました。



さあ。2012年ブックニックの振り返りはこれでおしまいです。

9日間の、自然のなかで本と親しむピクニック、いかがでしたでしょうか。
昨年の第一回に較べると、会場も広がり、開催期間も伸ばし、イベントの数も増やして企画してみました。
概ね、お天気にも恵まれ、「本」をきっかけにして、秋の始まりの北軽井沢を楽しんでいただいたこと、私たちとしても嬉しく感じています。

同時に、告知の不足や、運営のための人員が足りないことなど、主催する側として、まだまだ至らなかったことも色々とありました。
お客さまに向けられるはずの視点が、自分たちの思い込みなどが先行してしまった部分などもあったかと思います。
北軽井沢という地域の持つ魅力を伝えたい反面、活かしきれずに終ってしまったかな、、という反省点もあります。

それでもやっぱり、こうして振り返ってみて思うことは、「本」が好きだなぁ、そしてこの北軽井沢という場所が好きだなぁ、ということに尽きます。
自分勝手と言われてしまうかもしれませんが、自分たちが好きでたまらないこの要素をうまく結びつけて、それが、この場所に縁のある方にも、よそからやってきてくれる方とも、何かしらのかたちで時間や空間を共有する機会になってくれたら・・・そんな機会をこれからも創り続けていくことができたら・・・と願わずにいられません。

カタチは変わっていくかもしれませんが、来年以降も秋の本のピクニックは開かれることでしょう。
次回はさらに、「本」と「自然」を通したさまざまな楽しみ方をご提案できるよう、またいちからピクニックプランを立ててみたいと思います。

それではみなさん、また次回、北軽井沢の秋の森でお会いしましょう!!



浅間山はこの2日後、この秋の初冠雪を迎えました。


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