「Book-nick in Kitakaruizawa 2012 」を振り返って【vol.1】

 
 
秋の北軽井沢を舞台に、9日間にわたっておこなった第2回「ブックニック」。
それぞれのイベントにお越しいただいた皆さま、ご協力いただいた関係者の皆さま、ありがとうございました!

これから数回にわけて、今年のブックニックの様子を振り返ってみたいと思います。

 
 
10/13(土)、ブックニック初日。

 
百年文庫では、この日から3日間、佐野洋子の本屋 北軽井沢店と題して、北軽井沢を愛した絵本作家・佐野洋子さんの原画の展示と、著書を集めた期間限定本屋さんを開店しました。
 
 
この企画は、佐野洋子さんの息子さんであるイラストレーター広瀬弦さんら、「オフィスジロチョー」さんの協力のもと実現できたもの。
前日から北軽井沢入りしてくれたジロチョーメンバーさんたちが、百年ギャラリーを見事、洋子さん一色のお部屋に大変身させてくれました。

ひとつ目の部屋には、銅版画(エッチング)の小品を壁一面に。
ふたつ目の部屋は、絵本などにも使われた「猫」がテーマの絵がずらりと。
自筆原稿もあわせて展示されました。

また、親交深かった作家・長嶋有さんの山の家に飾られている「猛スピードで母は」の表紙の絵の原画も、特別に長嶋家よりお借りしてお披露目しました。

著作は、現在刊行されているものほぼすべて、年代順に並べられ、年を経ることでイラストなどが少しずつ雰囲気を変えていく様子も見ることができ、冊数もこれだけ揃うと圧巻です。

来場されたお客様は、お子さんから年配の方まで幅広く。それぞれの方にとっての洋子さんの絵や作品への想いがあるようで、熱心にひとつひとつじっくり時間をかけて鑑賞し、お気に入りの著書を大切そうに買い求めて行かれました。

窓の向こうには、洋子さんも見慣れていた北軽井沢ののどかな秋の景色が広がって、今にも入り口から「アンタたち、こんなとこに集まって何してんの?」と、ご本人がぶらりと現れるような錯覚を憶えるほど。

小さな展覧会ではありましたが、この場で作品に直に触れることで、あらためて「佐野洋子」という存在の大きさ・普遍性を感じ、洋子さんが好きだった素朴で長閑なこの村のことをなんだかますますいとしく思えるようになったのでした。

 
 
麦小舎では、東北ブックコンテナの展示販売が始まりました。
 

 
岩手、宮城、福島、秋田、山形の各県から届いた、地域を紹介する本や冊子、お土産品。
それらがひとつひとつ可愛らしくパッケージされたものがずらりと揃って、さながら小さな東北物産展のよう!

 
岩手からは、冊子「てくり」を中心としたセットに、バックナンバーや別冊がずらり。(新刊の「いわてのうるし」は特に見ごたえたっぷりの一冊です。)

 
宮城からは、ブックカフェ「火星の庭」セレクトのセットのほか、地域刊行誌やリトルプレス、木版画のポストカードなど。

福島からは、冊子「oraho」をはじめ、お箸や蜜蝋キャンドルなど小さな工芸品の詰め合わせが可愛らしい手提げ袋のなかに。

秋田からは、今話題の冊子「のんびり」ほか、なまはげサブレなどのお菓子も入った愛嬌たっぷりのお得なセット。

そして、山形のセットは、ガラス工芸や特製ポストカードなどが、本物のさくらんぼ用のボックスに詰め合わせになっていたり!

もちろん、それぞれの地域のごく一部の文化を垣間見るだけには違いないのですが、実際にそこに暮らすひとが自分たちのオススメするものを、ひとつひとつラッピングして「おひとつどうぞ」と差し出してくれる・・・そんなぬくもりを感じられる展示になりました。

セットはひとつひとつ内容も異なっているので、お客さんも楽しみつつ真剣(!)にお気に入り探し。
普段、遠くに感じてしまう「東北」を、少しでも近くに思えたり、実際に訪ねてみようかなと思うきっかけになればいいなと企画してみたのですが、もうほんとうに、すぐにも駆けつけたくなってしまい困ってしまいます!

東北地域の持つ懐の深さにあらためて感嘆すると同時に、「自分たちの暮らす町を紹介するならどんな形になるのだろう・・・」ということに思いを傾けてみるきっかけにもなりました。

いつか逆のかたちで自分たちの「コンテナ」を携えて、東北のあちらこちらを訪ねてまわれたらいいなぁと思います。

 
 
【ここでおしらせ】
「東北ブックコンテナ」は、好評につき、ブックニック後も期間延長して展示販売させて頂くこととなりました!
11月25日(日)、麦小舎の今季営業最終日まで、“ムギコヤサンルームギャラリー”にて展示いたします。
期間中いらっしゃなかった方も、この機会にどうぞお立ち寄りください。
 
 


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